このレッスンは来月も1回予定されており、全2回にわたって指導します。
20名ほどの受講者がいらっしゃり、まずはアナウンスの練習です。
初見でしたし、表現の必要がないものですから却って読みにくかったと思いますが、多くの受講生が比較的きれいに読めました。
ただ、アナウンス原稿というやつはその人の発声上の問題などを浮き彫りにしてくれます。
そういう意味では教材としていいかも知れません。
今日のレッスンで見受けた問題点は下記の通りです。まあ、どこでやっても同じようなものですが…
❶ブレスポイント直後のキーが低くなって出る。
❷長音の部分の長さが確保できていない。
❸(横隔膜を)プッシュアップしている。
❹ア母音が大きい。
❺口腔内容積が小さい。
❻敬体語尾の「す」が弱い。
❼舌先の位置が前過ぎる。
❽共鳴が一定していない。
それぞれ解説をしてみます。
❶は「調子読み」が原因です。「読む」意識が強いと、こうなります。「話す」意識になればこのようなヘンな「調子読み」にはなりません。
❷はよくある例です。「代表」が「だいひょ」に聞こえたり、「ホール」が「ほる」に聞こえたり、「高校」が「こーこ」に聞こえたりというやつです。たとえば「代表」なら「だいひょう」の「う」を発音するつもりで音を伸ばせば丁度良い長音になりますので、それを体に覚えさせると良いでしょう。
❸は「腹式呼吸」と「横隔膜発声」を混同した指導の結果です。専門学校の☆§◆¶*#%は○÷▼Γ◆ですね〜。
❹これも◆◆学校などでいつも◆◆と◆く◆◆◆◆を◆◆◆◆◆◆◆なので…しょうがないですね〜
❺これは舌や軟口蓋の機能的関連を説明して、具体的に体験させないとわかりません。SMGでそんなことを説明できるKSがいれば幸いですが、たぶん…
❻これも多く見られる例ですが、これはS子音の発声システムを教えるのと同時に、やはり録音して自覚してもらわないとなかなか会得できません。思ったより「す」は強く出さないといけないのです。
❼これは骨格的な問題(生まれつき)と、機能の問題があります。いずれも「少しだけ舌を奥に引くつもり」になると改善されます。ちなみにやはり宣文岳公や要生書には「あなたは舌が長いのよね」という格子がいますが、そういう例はほとんどありませんのでご安心を。
❽これは個別の問題ですね。母音によって口腔内容積が大きく変化する人もいれば、口角を動かし過ぎてそうなっている人もいます。小さな声で原稿を読めば共鳴は一定になるのがわかるでしょう。
以上❶〜❽については解説をして、改善策を提示しました。
次回は「表現」を中心に「RCM原稿」で遊んでもらうことにします。