今回はストップウォッチの話です。
「必需品」というほどではないのですが、あると便利なものです。
どんな時に使うかと言えば、ナレーション尺(長さのことを「尺」(しゃく)と言う)を計る時に使います。
たとえば15秒のTVCM原稿があったとするとナレーターは全体を13秒台、すなわち14秒以内に収めるのが通常です。そこで読むべき原稿を自分なりのスピードで読んでみて、その速さがどれくらいなのかを計るわけです。
それで14秒を越えてしまうなら「巻き(「巻き」というのは読むスピードを速くすること)だな」と判断して再度時間を計りながら読みます。このようにして指定秒数に収まる読みのスピードを体得するわけですね。
余談ながらその逆もあります。
13秒台どころか10秒で読めてしまうような原稿は時に注意を要します。
スポンサーが「それならこのコメントも入れてくれ、あれも入れてくれ」と注文を出す可能性があるのです(笑)
このように「自分のナレーションのスピードをコントロールする目安」としてストップウォッチは利用できます。ですが、再度申しあげますが「必需品」と言えるかどうかは疑問です。
また購入する際は「作動音」をなくせるタイプのものがいいでしょう。スタジオ収録時に使うことも考えられるからです。
@アナログのストップウォッチ(価格は¥5,000前後?)

時間を「量」として認識するのにはアナログのストップウォッチが便利です。
これは腕時計などでも同様でしょう? パッと見れば「あとどれくらいか」という量が感覚的にわかります。
この画像のストップウォッチは0.2秒刻みですが、ナレーターにはそれくらいで十分でしょう。

ただ、どうも故障しやすいように思います。個体差かも知れません。
Aデジタルのストップウォッチ(価格は¥8,000前後?)

これは100分の1秒まで表示されますので、比較的厳密な尺が出ます。
また閑なときはゾロ目を出す遊びもできます(笑)

これもナレーターに向いていると思います。
B時間計算機能付きストップウォッチ(価格は¥15,000前後?)

ラジオ番組などを製作する人には便利です。60進法で計算できる機能がついているからです。
またカウントダウン機能もあるので、例えばそのコーナーを15分で終えなければならないとき、15’とセットしてスタートするとカウントダウン表示してくれるのです。「あと5秒、4秒…」という目安が出ます。

ただ、この機種はナレーターにとっては無用の長物かも知れません。なぜなら1分の1秒でしか表示されないのです(笑)
専門学校などでは「教材」としてこれをナレーターや声優に購入させるところもあるようですが、全くの無駄遣いと言えるでしょう。
教材は「値段の高い物」ではなく、「ちゃんと使える物」にしないといけません。もし進学しようと思っている学校の教材にこの機種が指定されていたら要注意です(笑)
もちろん番組製作をするようなコースや学科なら必要な機材だと言えますが、それでも個人に買わせる必要はないでしょうね。
スマホや携帯のストップウォッチ機能を使うという方法でも日常のナレーション練習時には有効でしょう。
ただ、それはスタジオには持って入れない。なぜなら機能を使うために電源を入れておかないといけませんので、収録時に「着信」したらNGだからです。マナーモードでもダメですよ。マイクにノイズが乗りますのでね?
以上、何かの参考になれば幸いです。