第1回は「タイムキャラクター」その1です。
「なんやそれ?」とお思いのかたもいらっしゃるでしょうが、ご覧になったかたも多いと思います。
こんなのです。

見た目は「画像」ですが、上のは映像だと思ってくださいね。
そして00:00:00:29という部分(まあ、時計ですね)をTCR(タイムキャラクター)と言います。
映像編集上の時間の目安となるもので、実際の完成作品にはこれは表示させません。
ところで、専門学校でナレーションやアテレコを教えている先生ですら、これを「カウンター」という人がいます

映像が流れている間、この「カウンター」がクルクルクルクル回ります。

画像に説明を入れましたので理解できると思いますが、問題なのは右端の数字で、これを「フレーム」と言い、便宜上29にしてあります。
私たちは時間を計るのに時分秒を使いますが、映像の場合はそのつぎの桁(?)に「フレーム」というのを使います。おおざっぱに言って29フレームで1秒です。ほかは60進法ですが、このフレームだけ特殊ですね。
画像では「映像はすでに1秒近く進んでいる」という状態です。
ナレーションをすると
「10フレ(フレーム)ほどこぼれてます」(つまり0.3秒くらい長い)
とか
「15フレくらい余裕があります」(0.5秒くらいまだ余裕がある)
という風に言われます。
しかし、右端の「フレーム」は目にも止まらぬ速さ(なにせ1秒を29コマにわけているのですからね)で回りますので、0.3秒とか0.5秒というのは「感覚」で掴まないといけません。
初心者にはむずかしい技術ですね。
その時間的感覚をナレーションに反映させるには相当実績を積まないとできないでしょうねぇ〜。
さて、このタイムキャラクターですが、スタジオエンジニアは略して「キャラクター」とか「キャラ」と言ったりします。初心者は「アニメのキャラ(クター)」(笑)と混同しないように注意しましょう。
「キャラを見てスタートさせてね〜」と言われて「え? 青空しか見えてないけど…俺、青空役? それともイチョウ役?」と思わないようにご注意を。
次回は俳優(声優)やナレーターの立場で、この「タイムキャラクター」をどう利用するのかという話をしましょう。
お楽しみにっ!

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