厄介ですねぇ…
「自信を持って」と誰かに励まされて緊張せずにいられる人は幸いですが、「自信」は練習の質と量の裏付けがないと生まれて来ません。また、いくら多く練習したはずでも「どうしても緊張する」という人もいるでしょう。
その「緊張」の結果、たまたま事がうまく運べば、あるいは終われば万事よしかも知れませんが、それはギャンブルですし、また同じような場に遭遇すると「緊張」するかも知れません。
これは「根本治療」が必要です(笑)
そもそも演技に関係した場面で「緊張」するケースを考えてみましょう。
(ただし、技術面では十分練習を積んでいるという前提です)
舞台本番
オーディション
スタジオ収録(映像・音声)
などでしょうか。もちろん他にもあると思います。
特によく知らない人がその場にいると緊張しそうです(笑)
なぜなら「その人」が自分をどう評価するかわからないということが原因でしょう。実はそこに「緊張」の原因があります。
誰しも自分という人間や自分の行為に対して「いい評価」がほしいものです。いくら自分で自分のことを「評価」していても、舞台でもオーディションでも仕事でも「自分に対する評価は他人がする」ものです。そのことがどこかでわかっていると、自分の行為に対して「不安」がつきまといます。これが「緊張」の原因なのです。その結果、緊張のせいで思い描いていたパフォーマンスができなくて、さらに緊張が増すという悪循環に陥ることにもなりかねません。
「自分を良くみせたい」
それは自然な心のあり様だと思います。しかし、そこでその価値観を変化させることで「緊張」は「集中」に変化するでしょう。
つまり「自分」という価値基準から「他人」という価値基準に変化させるのです。
そこで、舞台や仕事の場合は「その作品を良くしよう」と考えます。
私はオーディションのときは「審査する人を楽しませたい」ということを念頭に置きます。
これはどんな仕事にでも敷衍できるのではないでしょうか?
プレゼンテーションなら「ぜひ、自分と違う意見がほしい(それでさらに企画が良くなるかも)」、セールスなら「できるかぎり顧客を喜ばせたい(売り込みより顧客の喜びを優先させる)」などです。
昔、ある朗読ライブパフォーマンスをやったときのことです。
ある朗読者が途中で何度か「かんだ(舌がもつれた)」のです。私は「ライブ」なのだからむしろそういう「人間的」な部分(読み間違い、舌のもつれ)を大切にしているのですが、その人はプライドが許さなかったのでしょうか、途中から手でリズムを取りながら、思い切り「巻き」で読み始めました。たぶん聴衆には作品の中身や味わいはわからなかったことでしょう。
私は「この人は自分のために朗読している」と思いました。
私たち俳優(声優)・ナレーターの「仕事」というものは基本的に「(他者に対する)サービス業」です。
お金の関与が少ない「芸術」も他者を喜ばせることで成り立ちます。
価値観を「自分」から「他人」に変化させることで、「緊張」を「集中」に変えてください。
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