演技その他の先生はよく「思い切りやれ」とか「思い切り良く」という指導をします。
確かに「思い切り」やったほうがいい結果が出ることが多いようですが、どういう状態を「思い切り」なのかわかっておっしゃっているのでしょうか?(笑)
いや、その先生の言う「思い切り」がどういうものかは問題にしません。
ただ、「思い切り」にしろ何にしろ『それは具体的にどういうことか』というのを説明できないといけないと思うのです。
よく言われる「役になりきる」というのもそうですね?
ちなみに、私は「役になりきることは論理的にあり得ない」と説明します。先日も「役になりき」れなかった人が世間を騒がしていました(笑)
でも、どういう状態を指して「役になりきる」とおっしゃっているのかちゃんと説明できればその言葉を使ってもいいのかも知れません。
さて、本題に戻して「思い切り」の話です。
いつぞや『緊張』の話をしました。
つまり、他人の評価を気にしたり、自分を良く見せたいという自然な心のあり様が「緊張」を生むという説明でした。そして、その評価対象を「自分」から「作品」など、自分の「外にあるもの」にすることで緊張は「集中」に変容するという話をしたのです。
結論的に言いますと、「思い切り」というのもこの話に関連しています。
演技やナレーションなどの仕事の現場や練習において、人間はさまざまな「思い」を持ちます。
失敗したくない
無難にやっておきたい
それはダメだ(ダメ出し)と言われるのではないか
ヘタだと思われているのではないか
うまいと言われたい
これからも仕事に呼ばれたい
etc.etc.
それら「緊張」を生み出す要因でもある「(自分を第一にする)思い」を「切る」こと。
私は「思い切り」をそのように説明しています。
いわゆる「雑念を捨てる」というのにも似ていますね?
思いを切って、雑念を捨てて、「どうしてもこうしないではおれない」という気持ちを凝縮させてそれを自分の外側に出力させること。それが「表現」でしょう。
ひょっとしたら「芸術は爆発だ」というのはそんなことかも知れませんね(笑)
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