私は「ダメ出し」という言葉があまり好きではありません。なんか〜単純に「ダメと言われるのは辛い」からです(笑)
「提案します」「アドバイスですが…」「オーダーしていいですか?」みたいな言葉が定着してくれたらうれしいのですが…
んでまたその「ダメ出し」というのは曖昧なものが多いんですよ〜。
DNA計画のブログにもありますが「イメージダメダシ」というものです。
大昔のことですが、ナレーションの仕事で出くわしたディレクターがとんでもないヤツで、私のナレーションに対してこんな「ダメ出し」をしやがったのです。
「う〜ん、今のはソフトドリンクの声かな〜。ほしいのはビールの声なんだよね〜」
(私は「こいつ何を言ってるのか」と思いながら、声を変化させてナレーションをした)
「あ〜、おしい! まだソフトドリンクだけどコーラにはなってるよ! はい、もう一回!」
(「なにがコーラやねん」と思いながら、また声を変化させてナレーションをした)
「こら! お前何を聞いてるねん! お前の声はオレンジジュースになってるやないか! アホ!」
「あ、今のはジュースね…。はいはい」
「もう一回やれ!」
(私はムカつきながら、また声を変化させる)
「あのなぁ〜、お前、ビールわからんのか? 今のはウィスキーじゃ、あん?」
こういう極端な根拠のない「イメージダメダシ」をするヤツは不純な動機でディレクションしているヤツだろうと思われます。
■自分の立場を優位と考え、俳優やタレントを困らせて楽しみたい。(パワハラ)
■男のディレクターなら出演している女性俳優(タレント)をモノにしたい。(セクハラ)
■女のディレクターで、男の俳優、タレントを見下して楽しみたいという歪んだ性格のヤツもいます。
実際このディレクターはこの収録後、一緒に出演していた女性タレントに「飯、食いに行こうよ」と誘っていました(笑)
20〜30年前の昔はこんな「不届き者」のディレクターやスタッフがいましたね〜。
最近はあまり出くわしません。今の新人俳優、ナレーターのかたは、ちょっと安心できるかも知れません(笑)
でも、セクハラ・パワハラ演出でなくても、やはり「イメージ」でしかオーダーできない演出はいます。
しかし、それは見方によっては「正攻法」なのです。
と申しますのは、ディレクターというのは演技「指導」する人なのではなく、演技(表現)を「要求」するものだからです。
ディレクター(演出)は、自分でサンプル演技(表現)をしてはいけないものです。そんなサンプルができるのならディレクター自身が出演すればよろしい、というのが私の考えです。
う〜ん…例えば…
レストランオーナー(経営者)がいたとします。
オーナーの相棒はシェフです。当然、オーナーはシェフに「料理」を注文します。さて、シェフの作った料理に対してオーナーが「料理の仕方」を指導し始めたら、シェフはどう思うでしょうか?
「それなら自分で調理しろよ」
と、思わないでしょうか?(笑)
シェフと調理スタッフの間には「指導」があってもいいと思います。それでもベテランコックの中にはシェフよりも知識も技術も勝っているものがいるかも知れません。
オーナー、シェフ、調理スタッフを、それぞれ「制作」「演出」「俳優」「スタッフ」などに置き換えてみれば「本当にあるべき関係性」が見えるかも知れません。
ひとつの「作品」「料理」を作るには、互いの協力や信頼関係がないと難しいですね。
さらには「共通の目標」と「互いの尊重」がないと、いい「作品」や「料理」はできないでしょう。
「ダメ出し」をどう聴けば良いのか、どう言えば良いのかというのはかなりむずかしいことではありますね。
次回は、この記事の内容を踏まえた上で、もう少し具体的に説明しようと思います。
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