以前、このブログにも書いたのかも知れませんが、こういうオーディションというのは声優学校にとっては在校生に「満足」を与えられるし、「学校の実績」になるし、「(入学生への)担保」につながるので大歓迎です。
え?
「担保」の意味がわからない?
あのね? 入学前の「体験入学」とか「説明会」では、どこの「声優学校」でも、
「うちに来ればちゃんとオーディションを受けられますからね」
と宣言しているはずです。つまり、入学前のその「口約束を守った」ということです。
ただし、「どういう養成機関のオーディションか」は具体的に知らせていないし、入学生もあまりわかってもいない(笑)
だって、オーディションをしにくる事務所の中には「希望すれば全員合格する事務所のオーディション」も含まれているんですよ。
またオーディションは「養成所」にとっても「受講料を払ってくれる研究生を確保する」という目的があるので、学校と養成所の双方にとって利害が一致する「おいしいイベント」でしょうね(笑)
もちろん在校生も自分のレベルというものがわかっていないので、これまた声優学校にとっても養成所にとってもオイシイ状況です(笑)
声優や俳優の世界と言うのはさまざまな意味で厳しいものです。
@いくら演技ができても、いくら発音やアクセントが良くてもやっていけない可能性がある。
A大手の養成所に入っても必ずしも売れるとは限らない。
Bいわゆる「声優」の仕事は東京にしかないので地方出身者は生活だけで大変。
まず@とAについてですが、マネージャーや制作会社の担当者などの目に留まらないとどうしようもないということです。さらに仕事の現場でそれなりの評価を得なければならないでしょう。
さらに所属した事務所の「力量」というものもあります。
ある有名俳優の例ですが、「その俳優だけ売り込む」という使命感に燃えた一人のマネージャーのお陰で、いまや「名優」と世間で呼ばれている者もいます(笑)
Bは大阪にいる私にはよく見られる例ですが、自分というものがわかっていない学生、あるいは在籍していた学校の担当者のいい加減な説明のせいか、「ひとまず東京に行けばなんとかなるだろう」というような甘い見通しで上京した地方出身者が遭遇する困難さです(笑)
それでもやっぱり「何もわかってない」学生の進路については、学校の担当者は真剣に考えてアドバイスをしてやらねばならないでしょう。担当者が自分でアドバイスできないならば他の講師などにも意見を聞くべきです。そして、ちゃんと「現実」(この業界の競争の激しさ、その学生の力量など)を評価し、教えてやるべきです。
もちろん、それだけ言ってもわからない「バカ」は放っておいたらよろしいでしょう。多少なりともこの国の経済活動の一部に寄与するかも知れません(笑)
そもそも「養成所」というのは「育成の機関」ではないと言えるでしょう。
おおざっぱに言えば「その研究生がうちの事務所でやっていけるか、戦力になるか」ということを見極めるための「期間」です。つまり「育成期間」です(笑)
だから、単純に言えば、その養成所に入るまでに、さまざまな部分で「即戦力」になっていないと養成所に入ってもほとんど「ムダ」だと言えるのではないでしょうか?
おっと、もちろん、ちゃんと「育成」できるスキルやノウハウを展開している養成所もありますよ(笑)
皆さんの幸せな未来を祈って…
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