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DNA計画代表の真藤久峰子です!
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2014年09月14日

ゲームの表現

私は何度か「ゲームの声」で出演しています。
もちろん契約上の制約があって、具体的なソフトの名前は出せないのですが、あれは結構難しい(笑)

例えば、「攻撃系」というような原稿があって、そこには「ハァーッ!」とだけ書かれています。
収録の現場では「じゃ、『ハァーッ!』で、何パターンかください〜」というような指示があって、マイク前でそれをやります。
私は、たいていそういう場合は20パターンくらいは最低でもやります。
さらに「攻撃系」で「フンッ!」というのもあり、これも20パターンくらいはやります。
「ハァーッ!」
「フンッ!」
「トリャーッ!」
「フワッ!」
「キェーッ!」
などが「攻撃系」にあって、それぞれ20パターンですから、100くらいの表現をやります。

次に防御系があって、
「グッ!」
「フヌヌヌ〜〜〜〜!」
「フワッ!」
「ウグググ…」
「オオオオオオ…グググググググ…」
などもそれぞれ20パターンくらいの表現があります。これも100種類くらいです。

そして、それら以外にもいわゆる「セリフ」もあります。

「いよいよ決着をつけるときか? あん?」
「ゴタクを並べてんじゃねぇよ! 行くぜっ!」
「よぉ〜、おメエさんもよっくここまで来られたもんだぜ〜」
「ここで屍を晒しやがれッ!」
「受けて見よ! ○○○(←必殺技)〜!」

なども言います(笑)

これから声優などになろうと思っていらっしゃる皆さんには憧れの現場かも知れませんね?(笑)
でも、これが結構むずかしいんです!(涙)

こういう実習を専門学校などの授業でも生徒にやってもらうことがありますが、まあ、5つほど表現(この場合は「単なる言い方」)を変えられたらいいところですね。続けさせると6つ目からは「さっきと同じじゃん〜」という状態に陥り、そのうち無言になってしまいます。

私は自慢じゃないけど、ひとつのセリフで40〜50くらいは表現を変えられます(笑)

え?
どうしてやるのかって?

基本的には「演技」=想像力です。

たとえば「攻撃を受けた=防御系」の声を出す場合を参考に説明しますが、私の場合は足元から想像します。
つまり……… う〜ん…… 何にしようかな〜……なんでもいいけど……
じゃあ、「金槌」にしましょうか?
「金槌で足の親指の付け根を殴られる」ことを想像します。
想像すれば何らかの声が出るでしょう?

次にその足の甲をやはり金槌で殴られたところを想像します。

次は足首を…
そして「すね」(弁慶の泣きどころ)を…
膝…
膝の裏…
太もも(これは筋肉だからそれほど痛くないかも)…
男性の急所…
下腹部…
わき腹…
尾てい骨…
腰椎…
背中…
肩…
腕…
手指…
首…
耳…
目…
鼻…
後頭部…
側頭部…
頭頂部…
眉間…

それぞれを「金槌で殴られた」という想像をします。以上で20か所以上になるはずです。
もっと細かくダメージを受けた個所を「想像」すればもっと多くの表現ができるはずです。
また凶器(?)を「金槌」ではなく相手の「拳」に置き換えてもまた変化が生まれるでしょう?
あるいは「こん棒」とか…

「言い方」を考えてもできるのはせいぜい5〜6種類です。
人間の「想像」は無限に近いものです。
演技をするときは「言い方の工夫」ではなく「自分の想像力」に頼るようにしましょう〜(笑)


posted by DNA計画 at 01:23| Comment(0) | 声優 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月20日

俳優(声優)・ナレーター初心者コツ講座「アテレコ(吹き替え)」4

前回は「アテレコ」と「タイムキャラクター」の関連について説明しました。

今回はコツというか、どちらかと言えば「心得」みたいなことです。

アテレコ(吹き替え)をなさるかたは「絵(口)に合わせる」ことに神経をとがらせることが多いのだろうと推量します。
確かに大昔(笑)は、ビデオテープ(磁気テープ)に吹き替えのセリフを録音するスタイルだったので、その頃にご活躍なさっていた人が先生の場合の指導では「尺合わせ」や「リップシンクロ(口の動きに合わせる)」に厳しいかも知れませんね。
同じようなことはナレーションやラジオドラマでも同様です。
昔は磁気テープに音声を記録していたので、CMナレーションなど、どこかで「噛む」と、一から録音のやり直しというような状況が一般的でした。それで鍛えられたのも事実ですが、とにかく「間違えないように、噛まないように」ということが最重要だったかも知れません。
私もそれで新人時代……今もそうですが……苦労しました、いや…しています(笑)

さて、ご周知だと思いますが、現在はコンピューターに映像を入れておいて、その映像を見ながら、やはりコンピューターで録音するというのがスタンダードなシステムです。
そのお陰で、少々、絵と音声(ナレーションやセリフ)がずれてもエンジニアさんが調整してくださいます。
また音質調整も昔とは格段に違います。風邪などの影響で、少々声がおかしくてもちゃん修正できる…こともあります。

以上のような事情から、アテレコやナレーションでは、
●少々ずれても大丈夫
●多少、鼻声でも大丈夫
というようなことが言えます。
ですが、やはり原則的には「ずれない」「声の調子を整えておく」ということは重要です。

さて、いよいよ本題です。
アテレコ(吹き替え)でも、ナレーションでも、「収めるべき尺(長さ)」というのはほぼ決まっています。
例えば、アテレコで、タイムキャラクター00:04から00:09の5秒でセリフを言わなければならなかったとします。
本来は当然ながら00:04からセリフを言わなければならないのですが、つい、00:05から言い始めてしまったとします。そうなると声優は
(しまった! こうなったら00:09までに収められるように〈巻き〉でしゃべろう)
と思ってしまうものです。
これがダメなんですなぁ……

単純に言えば「5秒でセリフを言えばいい」のです。
だからこの「きっかけを外した例」の場合、すなわち、00:05からセリフを言い始めてしまったなら00:10に言い終わるようにすれば、エンジニアさんが調整(これを「上げ下げ」と言います)してくれるのです。あ…絶対してくださるとは言えませんけど(笑)
「尺内に収めないと絶対いけない」という先入観があるとこれはできません(笑)

おっと!
ただし、これはほかの人のセリフとかぶらない場合に限りますヨ(笑)

DNA計画のタレントは曲がりなりにも「プロ」ですから、尺に収めたり、リップシンクロするというような「技術」的なことは出来て当然なのですが、現在の収録環境(コンピューターによるノンリニア編集)があることからやはり「表現」が大事だと考えます。
posted by DNA計画 at 01:28| Comment(0) | 声優 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月05日

俳優(声優)・ナレーター初心者コツ講座「アテレコ(吹き替え)」3

俳優(声優)・ナレーター初心者コツ講座「アテレコ(吹き替え)」の1と2では、映像に現れた役の動きや表情に「シンクロ(同調、共感)」することの大切さについて説明しました。
また、精度の高い翻訳(洋画吹き替えの場合)や台本(アニメなど)では、映像に現れている口の動きや原語の音節数を考慮して書かれているので、それほど尺合わせ(映像の長さに合わせる)にも神経質にならなくても大丈夫だろうということも言った……ように思います(笑)
また、通常は資料映像と台本が送られてきますので、それで予習を十分しておれば本番はあまり問題なくこなせると思います。ただし「演技」および「表現」についてはそう言いきれないものもありますね(笑)

さて、状況によっては事前に資料映像や台本のないものもあります。
録音現場で初めて映像を見るというような状況では、「どこからどこまで口を動かしているのか」を判断しなければなりません。
そういうときに役立つのが「タイムキャラクター」です。

タイムキャラクター.jpg

タイムキャラクターについては過去の記事(下記)も参照してくだされば幸いです。

http://dna-blog.seesaa.net/article/386164894.html

上記の記事でも説明していますが、自分の担当する役が「どこから話し始め」て「どこまでしゃべっているか」という時間の長さをタイムキャラクターで確認し、それを自分のセリフに素早く書き込むということが重要です。

まったくの余談かも知れませんが、劇団の新人だったころ、ある医学の映像の吹き替え(医師役)をやったことがあります。
私は劇団の先輩たち3人とご一緒しました。ここだけの話ですが「吹き替え? フン…そりゃ俺のほうが先輩よりうまいはず、へっへっへ」と密かに思っていたのです。

さて、まずは先輩たちが吹き替えを始めました。
案の定、カタカナで書かれた薬の名前や医学用語に苦労していらっしゃいます

さぁて、私の出番です。ちょっとブイブイ言わせましょうかぁ〜。と、ブースに入ったら……

アテレコ不能なスタジオ.jpg

マイクに向かってセリフをしゃべるのは当然ですが、私の座った位置からではテレビモニターが見えません!!


私はびっくりしてディレクター(演出)に言いました。
「すみません! ここからはモニターが見えないんで当てられません〜」
するとこのディレクター、なんと言ったと思います?

「お前、プロやろ! それくらいなんとかせえ!」
(それくらい…と言っていいレベルかい? あん?)

そこで私は先輩二人にお願いしました。

「今だけ席を代わってくれませんか?」
すると劇団の先輩二人、なんと言ったと思います?

「嫌や。はっはっは」
(こういう奴らはだいたい演技もヘタ。これは本当です。演技には人間性が出ます。え? 私? 私はそりゃ…あの………)

そこで私は再度、ディレクターに言いました。
「一度でいいので、私の担当する役のシーンを全部見せてください」
「一回だけやぞ。余計な時間使いやがって…シブシブ…」

ここから私はがんばりました(笑)
映像を見て、話し始めと話し終わりをタイムキャラクターを見て、台本に全部書きとめたのです。
そして本番では「話し始める2秒前」まで映像を見て、それからマイクに振り返ってストップウォッチをスタートさせてから吹き替えのセリフを読み始めたのです。そのセリフを読むべき秒数は台本に書いているので、ストップウォッチを見ながら話し終わりの秒数に揃えました。
離れ業です(笑)

でも、なんとか成立させました。

仕事はどんなものであれ、それに関わるすべての人間が最善を尽くさないといけません。

仕事のやりかたも知らないディレクター
席すら代わろうとしない先輩劇団員
モニターの位置を工夫せず、しかも想像力もないエンジニア

そういう人間は淘汰されるものだとも思いますし、いまどきこんな仕事のやり方はないかも知れません。
しかし、仕事のちゃんとできない人間が当然のようにウマクその「立場」を得ている現実もいっぱいあります。
ため息ものですが、仮にそんな人と仕事をすることになったら、あなたは「やれることを全力でやれるように訓練をやっておく」ということが必要でしょう。








posted by DNA計画 at 21:59| Comment(0) | 声優 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月16日

声優と俳優とタレント

いつもこのブログでお話ししていることなのですが、「声優」と「俳優」の解釈、さらには「タレント」の定義についての話です。

私はいつも「声優というのは俳優が声だけで演じている状態」と説明し、「独立した職業」として説明はしません。
つまり、元来「(で演じている俳)」という「状態」があるだけで、それは「俳優の仕事の仕方のひとつ」ということです。
これには異論はないと思うのですが、先日、この業界の先輩と話していて、どうも話がかみ合わないので、今回、整理のためにこの問題について説明しようと思います。

私がその先輩に、例によって「声優というのは俳優の仕事のひとつですから」ということを申しあげましたらその先輩は「いや、声優の人たちは俳優が声優の仕事をするのを嫌がるものだ」とおっしゃいます。
この言葉は私の「声優の定義」に基づいて言い換えますと、「俳優は俳優が俳優の仕事をするのを嫌がる」ということになってしまいます。どうもおかしい……(笑)

そこで先輩の認識を忖度しましたところ、やはりその先輩も「テレビなどの映像に顔出し出演しているのが俳優だ」という認識なのではないかと思われるのです。そして「そういう俳優が映像だけではなく舞台(これはおそらく商業舞台を指すと思いますが)に出ることもある」という認識なのではないでしょうか。

一方で、私が何人かの「声優と呼ばれている俳優」さんに話を聞いたとき、その人たちは確かに有名なアニメ映画制作のキャスティングに疑問を持っておられました。「最近は〈有名な俳優あるいはタレントである〉というだけでキャスティングしているのではないか」と言うのです。
ああ〜なるほど〜〜。わかります。
言われてみれば、実際「演技力より名前」でキャスティングしているのではないかと感じることがありますね。つまり「声による演技力」でキャスティングするのではなく「有名かどうか」でキャスティングしているのではないか、あるいは単なる「話題性」を優先させてキャストに入れているのではないかということをおっしゃっているのです。

ちなみにやはり私の知り合いである「声優」さんたちも、いずれかの劇団に所属して、舞台演劇はもちろんテレビや映画などにも出演していらっしゃるかたもおれば、劇団には所属してはいないがそういう演劇活動をなさっているかたも多くいらっしゃいます。
私はそういう現状を見て「声優というのは俳優の仕事のひとつ」と説明するわけですが、ひょっとすると私の先輩も含めて、世間では「俳優と声優は違う職業」と思われているのかも知れません。

いや、私は別に「声優」と「俳優」の線引きをしたり、そこに優劣をつけようとするものではありません。
あえて言うなら「声だけにしろ、顔も出すにしろ、結局は演技力の問題なのだ」と言いたいだけです(笑)

さて、ひとまずここまでで「俳優」の中に「声優」も含まれるという私の主張をご理解いただいた上で、それと「タレント」の違いについて述べましょう。
これについては和田勉という元NHKのドラマディレクターが明確な定義をしてくれています。

「タレントは何でもする人、俳優は何かをする人」

だそうです(笑)
タレントは「何でもする」のであって「何でもできる」のではありません。
このような定義に基づくと、タレントはやはり「仕事優先」で、俳優は「芸術優先」なのかも知れませんね〜。あ、いやいや決して芸術の優位を言っているのではありません。仕事はどれもそれなりに大変ですからね? 芸術は「儲からない」という点において大変です(笑)

私は何でも貪欲に「やる」!
という人はタレントに向いているかも知れませんね。

私は自分を表現したいのだ!
という人は俳優(声優)に向いているのかも知れません。
posted by DNA計画 at 18:09| Comment(0) | 声優 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月03日

俳優(声優)・ナレーター初心者コツ講座「アテレコ(吹き替え)」2

前回はアテレコ(吹き替え)の表現面での「呼吸(コツ)」についてお話ししました。
要は、どれだけ絵(映像)に現れた演技に「声優」が心を同調(シンクロ)できるかというのがポイントです。
昔も今もそれがちゃんとできていない作品はありますねぇ〜(笑)
私の知っているかぎりいちばんヒドかったのはアメリカのドラマで正確な題名は忘れましたが「スーパーなんちゃら」というものでした。
主役声優にアイドルだったか何かを起用していて、全然、絵とシンクロできていなくてほとんど「棒読み」でした(笑)
脇役のほうは普通の俳優だったので、余計に主役二人の棒読みが際立っていましたな〜。
「おいおい、このまま行くのか?!」
と思っていたら、第3シーズンあたりでやっと声優が交代して普通になりました(笑)

さて、今回は吹き替えの、特にリハーサルでの心得です。

吹き替えについては多くの場合、事前に台本と参考映像が送られてきますのでそれで予習を十分に積んでおくことは言うまでもありません。
また洋画などで、ちゃんとした翻訳であれば原語(英語など)の音節数と日本語訳の音節数をだいたい揃えてくれているのでタイムキャラクター通りに話しはじめればだいたい尺が合います。翻訳者もプロはやっぱり凄いですね!

さて、当然収録の前にはリハーサルが行われますが、そのときに気をつけないといけないのは2点あります。

ひとつは「原稿の変更」に対応しないといけないことです。
これはナレーションなどでも頻繁に行われることですので俳優(声優)は、「すぐに書きとめる」という習慣を身につけないといけません。
ある著名な声優さんは「消しゴム付き鉛筆」を愛用しているそうです。
これは正しい情報ですね〜。
私なんか「わかっちゃいるけどやめられねぇ」と水性ボールペンを使っていて、いつもとんでもない目に遭います(笑)
原稿の現場改訂が多くてどれが正解なのかわからなくなることがあるのです(笑)
原稿のスペースも限られていますしね?
最初はもちろん余白に書くのですが、さらにそれを改訂されて、またまた書き換えてというようなことが重なると、もう書くスペースもなくなってきてナレーションの最中にあらゆるページ(書くところがなくなって、違うページや原稿の裏に書いてしまっている)に目を走らせる羽目に…。
「消しゴム付き鉛筆」が一番いいですね!

さて、もうひとつは、リハーサルではほかの役のセリフを待たないということです。
段取り優先の演技に慣れた人は、自分以外の役のセリフを待ってしまいます。
ところが吹き替えでは、相手役がセリフを言わないでいるとどんどん絵が進んでしまい、結局自分もセリフが言えなくなってしまいます。もちろん本番でもそういうNGが起こりますが、リハーサルでは特に自分のセリフのきっかけを外さないことが重要です。きっかけの確認のためのリハーサルでもあるのですからね。
と、言うわけで「吹き替え」では通常の演技のキャッチボールとは異なり、自分に当てられた役割をきっちり果たすということを優先なさったほうがいいでしょう。

話は変わりますが、いつぞやもう亡くなった著名な声優さんのドキュメンタリーを見ました。
やはりその声優さんも養成所を主宰なさっていて、そこでのレッスン風景だったのですが、マイクの前に立って「○○(外国の俳優)のときはこんな風に立って、××のときは足をこんな風にして、また●●のときは手をこんな風にして…」と訳のわからない話を受講生に聞かせていました(笑)
また、受講生が真剣な顔で聞いているものですからおかしくって
どう考えてもギャグにしか聞こえないのですが、あの声優さんは本気だったのかも知れません。
テレビ放送用に撮影されているから、ある種の演出があったのかも知れませんが、いくらなんでもそんなむちゃくちゃな指導をやってはイカンでしょう。
確かに著名な俳優(声優)さんでしたが、やっぱりその吹き替えはあまり上手とは思えませんでした。
posted by DNA計画 at 08:52| Comment(0) | 声優 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月28日

俳優(声優)・ナレーター初心者コツ講座「アテレコ(吹き替え)」1

ちょっと理屈っぽい説明から…。

アテレコ(吹き替え)をする「声優」。
これは「俳優の仕事のひとつ」です。
いつ頃からか「アイドル声優」というのがもてはやされて、それから「声優」というのは独立した業務のように思われていますが、やはり主流としては「俳優が声だけで演じている状態」でしょう。
さて、そういう前提で説明を続けます。
俳優は台本から登場人物の考え方、感じ方、価値観を読みとり、それを役の人物に代わって言葉(セリフ)と身体(行為)で「表現」します。
そこにはその俳優自身が持つ個性(=考え方、感じ方、価値観)もミックスされて表現されるものです。
たとえば弁護士という仕事は依頼人の思いを代弁するものでしょうけれど、そういう意味では俳優に似ていますね。
依頼人(演技の場合は役の人物)に共感しないと弁護もできないでしょう。
俳優は役に共感します。

さて、ここから本題です。
アテレコ(吹き替え)をする場合も同様で、役に共感してやることがまず必要です。
その上で、映像に現れた「役」の表情や動きなど、つまりその「行為」をよく見てみるとその役がその瞬間にどんな考え、感じ方、価値観を持っているかがわかります。
そこで声優は映像上で展開されているその役の動きもできるだけ一緒に再現してやると表現しやすくなります。

映像が眉間にしわを寄せていたら自分もそうする
握りこぶしを振り上げていたら同じようにやる
両手を広げて喜んでいたらそうする(台本を持っているから実際には片手)
にんまり笑っていたら自分もにんまり笑う

要はできるだけ役と同じ行動および表情をしてやるということですね。
昔、指導したある養成所の研究生でちゃんとこれをやっている人がいました。
やっぱりうまかったです。美人だし!(笑)
でも、あの人、あのあとどうしたんだろうなぁ〜。
今頃、東京の大手事務所にでも入っているのでしょうか??

あ、ブース内で展開することですからもちろん他の出演者に迷惑がかからない範囲でやります。
また、ノイズを出してもいけません。マイクから離れ過ぎてもNGです。

以上、コツ講座でした〜〜!

posted by DNA計画 at 00:19| Comment(0) | 声優 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月26日

俳優(声優)・ナレーター初心者コツ講座「タイムキャラクター」3

昭和30年代、テレビの普及に伴い、外国の(主にアメリカ)映画やドラマが日本でも放送されるようになって、「吹き替え」が始まりました。
当初は生放送で、声を当てていたそうですよ。
声を当てるのは俳優で当時は「当て師」と呼んでいたそうです。

やがて録音機(テープレコーダー)が発達して生放送時のようなてんてこ舞いはなくなったのでしょうけれど、今度は絵(映像)と音(セリフ)がよくずれていました。あまりにズレの時間が長くなると「しばらくお待ちください」というテロップのあるイラスト付き静止画が流れました(笑)
こんなイメージです。

しばらくお待ちください.jpg

懐かしいです。

さて、現在も原則として俳優が吹き替えを担当していますが、なぜか「声優」というジャンルが確立していますね。
専門学校などでも「声優は俳優ではない」という認識で運営しているところもあります(笑)

閑話休題。
さて、吹き替えの際、外国映画では原語が付随していて、アニメの元映像にはもちろん音声がありません。
そこで役に立つのが「タイムキャラクター」です。
タイムキャラクター.jpg

つまり、自分の当てるべき役の話し始めと終わりをタイムキャラクターで確認するのです。
セリフはその尺(時間)内で収めます。
同時に、口がとまっている部分(黙っている瞬間)があれば台本に/などを入れておきます。
これでリップシンクロ(口とセリフが合っている)しやすくなります。
以上が吹き替え(アテレコ)の物理的な部分でのコツですね。

ちなみに実際の吹き替えの仕事では、たいてい事前にサンプル映像と台本が送られてきますので、それでタイミングをしっかりつかむとともに、もちろん「表現」も考えておかないといけません。
posted by DNA計画 at 16:09| Comment(0) | 声優 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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